大阪府中小企業団体中央会は、2月7日(水)シティプラザ大阪で「令和5年度第2回共済事業セミナー&異業種交流会」を開催し、326名の皆様にご参加いただきました。
今回のセミナーでは、神戸学院大学現代社会学部教授の中野雅至氏を講師に迎え、「これからの日本経済と働き方改革」をテーマにご講演いただきました。中野氏は、旧労働省を経て公募により兵庫県立大学大学院助教授、教授に就任された後、2014年4月から神戸学院大学現代社会学部で教授を務める一方、読売テレビ「あさパラ」「すまたん」「そこまで言って委員会NP」等、コメンテーターとして情報・報道番組にも数多く出演され、活躍の場を広げられています。
講演では、アフターコロナを経た日本経済と生産性向上などこれからの働き方について語っていただきました。
「辰年は政変の年といわれるが、経済政策不確実性指数の上昇がみられている。すべての業界で不景気なのではなく、中小企業も含めて二極化している。物価高も今年は落ち着いていくと推測している。大企業だけでなく中小企業にとっても生産性は重要であり、企業の競争力を上げるには生産性を上げるしかない。そのためには、テレワークの導入など働き方を変えること、利益率を上げること、DXを推進することの3つの方法がある」と説明されました。
「中小企業においては人手不足感が強まっている。特に若者の採用は難しく、採用できた場合であっても即戦力になるまで時間がかかる。また、中途採用が増加したことに伴い、転職に肯定的な若者が増えている。Z世代の仕事観は、プライベート重視、安定・地元志向、共働き思考という特徴を持っているが、大学生の半数ほどが奨学金を受給しているなどお金にシビアな面もある。また、『自らの成長が期待できる』職場を求めている若者も多い」と大学生が間違えた四字熟語の例を交えながら、軽妙な語り口で解説され、聴衆を沸かせました。
「昨今では、生産性を上げるためにDXの推進が強調されているが、DXに取り組んでいる中小企業は少なく、規模が小さい企業にとっては必要性が低い。中小企業においても実行可能な人手不足解消、生産性向上の例を挙げると、「ペア就労」という働き方がある。高年齢従業員と若年従業員がペアになって同じ業務に携わることで生産性の向上に期待できる。DXの推進のハードルは高いと思われるが、現場を工夫することで生産性が上がることは多い。今年は生産性革命元年になるのではないかと考えている」と語られました。
参加者アンケートの結果では、「ユーモアを交えた講演で、楽しく拝聴できました」「大変面白くわかりやすかった。生産性向上や人手不足の解消については参考になりました」などの感想が寄せられ、大変参考になるセミナーとなりました。
大阪府中央会では、今後もセミナーを開催し、会員の皆様に有益な情報提供の場を設けて参ります。次回のセミナーにも是非ご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。