大阪府中小企業団体中央会より
2024年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、5月8日に新型コロナの感染法上の位置付けが5類に移行されて以降、インバウンド需要を背景に観光関連や、宿泊・飲食業を中心として幅広い業種でコロナ前の業績に回復するなど、中小企業・小規模事業者の業況も改善の傾向が見られるようになりました。
一方、3年余りの長きに及んだコロナ禍や長期化するウクライナ情勢の影響に加え、イスラエル・ハマス戦争による海外情勢の不安定化に伴う原材料や物価高の継続、価格転嫁の問題、人口減少や2024年問題に伴う深刻な人手不足や賃上げ問題など、中小企業・小規模事業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続くことが懸念されるところです。また、AI(人工知能)技術の進化と普及により様々な社会活動に影響が出ることも懸念されています。
こうした中、昨年11月に決定された政府の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」による各種支援策が迅速に実施され着実に効果が出て、物価高が克服され適切な価格転嫁が進み、企業収益と物価、賃金の好循環が実現することを期待しております。
本会では、会員の皆様が直面している様々な課題からの脱却と、今後の持続的な成長・発展に向けた新たな事業活動に対し、これまで以上に積極的かつきめ細かな支援を実施してまいる所存です。
具体的には、中小企業・小規模事業者や中小企業組合が抱える様々な経営課題の解決と、コロナ収束後の新たな事業展開を図るため、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の活用促進に向けた支援をはじめ、昨年10月に開始されたインボイス制度や1月に施行された電子帳簿保存法改正への対応、2024年問題対策、DX・GXやAI(人工知能)の利用などを推進するため、これらを視野に入れた組合ビジョン・事業計画の策定、研修会等の開催を関係機関との連携のもと、積極的に支援してまいります。
また、会員の皆様への直接的な支援として、行政庁への届出書類作成、理事会、総会の運営相談、国・地方自治体による各種支援策の情報提供などを継続実施するとともに、巡回訪問等により積極的にニーズを掘り起こし、きめ細かな支援を行ってまいります。
さらに、開幕まで500日を切った「2025年大阪・関西万博」に関しては、本会の企画「パワースポットIN大阪」の出展準備を本格化するとともに、催事、物販、チケット販売等各種情報の提供などの取り組みを推進してまいります。
これらの取り組みをより充実させるため、国及び地方自治体に対して中小企業・小規模事業者への支援強化に向けた各種要望活動を行ってまいります。
本会におけるこうした各種取り組みが、会員の皆様にとって、現在の難局からの脱却と新たな事業活動の展開に繋がれば幸いであります。
結びにあたりまして、会員の皆様が新年にあたり決意を新たにされ、我が国経済社会の発展と中小企業の振興のため、ご精進いただくことをご期待申し上げますとともに、2024年が会員の皆様にとりまして大きな飛躍の年となりますようお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。
大阪府中小企業団体中央会会長
野 村 泰 弘