~官発注工事等の価格転嫁の情報発信と万博準備に官公需適格組合の積極活用を提案~
「大阪政労使の意見交換会」が2月2日(金)大阪合同庁舎で開催され、大阪府中小企業団体中央会・野村会長が出席しました。
会議には、行政、経済界、労働界の団体トップ10名が出席し、大阪府内における生産性の向上、適切な価格転嫁等を通じた賃金引上げ等の機運の醸成、環境整備を進めていくため、それぞれの取組や支援措置等について意見交換が行われました。
冒頭、宮崎・厚生労働副大臣から、「賃上げは東京や大きな企業だけ行われても意味がない。雇用の7割を占める中小で確実に実施していくことが肝要。」などのあいさつがありました。
意見交換では、まず、行政、大阪労働局・荒木局長から「中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援並びに「年収の壁」への当面の対応策」について、公正取引委員会・亀井企業取引課長から「労務費の転嫁の現状と適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」について、近畿経済産業局・信谷局長から「中小企業の賃上げの現状と価格交渉の状況、賃上げ促進税制、中小企業省力化投資補助事業等支援策」について、大阪府・吉村知事から「大阪府における賃金引上げの状況と賃上げ原資の確保、リスキリング等来年度の取組」について、説明が行われました。
続いて、経済界、関西経済連合会・松本会長から「中小企業の賃上げ原資確保のために、人件費の増加分の価格転嫁が必要であり、企業に対して積極的な対応を呼びかける」、大阪商工会議所・鳥井会頭から「賃上げ原資確保には価格転嫁、生産性向上、収益力強化が必要、政労使一体となって進めることが必要」、大阪府商工会連合会・上村会長から「中小企業に賃上げ原資が生まれるよう、物価上昇抑制対策及び発注側の企業に対する下請取引の適正化指導を強化されたい」、大阪府中小企業団体中央会・野村会長から「価格転嫁の必要性を社会全体で共有するためには官の工事や業務委託契約で十分な価格転嫁をしていることを積極的に情報発信すること」が必要と意見を述べ、また、「万博開催の万全な準備のためには、地元の優良な中小・小規模事業者、中小企業庁が証明した官公需適格組合の活用が重要。多くの中小企業の万博準備へ関われば賃金引上げの環境整備にも繋がる。」と提案し、吉村知事に万博協会における発注案件の中小企業への拡大の働きかけを要望しました。
最後に、労働界、連合大阪・田中会長から「2024春闘の最大のカギは物価上昇を上回る賃上げを実現できるかどうか、価格転嫁に向けた環境整備を適切に進めていくことが重要」と述べられました。