~「団体協約による価格転嫁交渉」について説明~
「第18回トラック輸送における取引環境・労働時間改善大阪府地方協議会」が9月5日(木)ホテルプリムローズ大阪で開催され、大阪府中小企業団体中央会・柴田専務理事が出席しました。
会議には、学識経験者、労働団体、経済団体、荷主、トラック運送事業者団体、トラック運送事業者、行政機関等の代表者が委員として出席し、大阪府内のトラック運送業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制を実現するための具体的な環境整備等を図るため、それぞれの最近の取組み等についての情報共有並びに意見交換が行われました。
冒頭、近畿運輸局・岩城局長から「トラック事業者の取引改善、労働時間改善についての課題は個々の自助努力では解決が困難、関係機関による協力が不可欠である」、並びに(一社)大阪府トラック協会・坂田会長から「我が国の物流を担うトラック運送業界が持続していけるような環境整備が必要。皆さんのお知恵を貸してほしい」等の開会挨拶があり、その後、関西大学社会安全学部・吉田教授が座長となり議事に入りました。
会議では、本日の議題「トラック運送業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制に向けた最近の取組み等」について、各界からそれぞれの立場に基づく説明が行われました。まず、トラック運送事業者として、(一社)大阪府トラック協会並びに日本通運株式会社大阪支店から「運送業界の現状」について、続いて行政機関として、大阪労働局労働基準部監督課から「トラック運送業における働き方改革推進のための取組み」、近畿運輸局大阪運輸支局から「トラックGメンと大阪運輸支局の取組み」、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所から「令和5年度における荷主と物流事業者との取引に関する調査結果及び優越的地位の濫用事案の処理状況」について説明が行われました。荷主事業者の立場としては、ダイキン工業株式会社、住友電気工業株式会社、株式会社万代等から、「運送手段の確保と価格交渉」について、また、労働者の立場として、全日本運輸産業労働組合大阪府連合会からそれぞれ説明が行われた後、経済団体を代表して大阪府中小企業団体中央会・柴田専務理事から「団体協約(※)による価格転嫁交渉」について説明が行われました。柴田専務理事からは、「中小企業組合は、組合員と取引関係にある事業者等と、取引価格や納入条件等の取引条件に関する団体協約を締結することが可能であり、一定の要件を満たせば、独占禁止法の適用除外となる。団体協約は、組合の価格交渉力の向上につながることが期待されているが、残念ながら組合への周知等が進んでいない。引き続き、全国中央会等関係団体と連携しながら、団体協約の更なる活用に向けた周知等に取り組んでいきたい」と意見を述べられました。
続いて意見交換に移り、「荷主と運送事業者の取引関係」並びに「多重下請構造」の2点について、各委員がそれぞれの立場から、積極的に意見や要望を述べられました。
最後に、大阪労働局・志村局長から「『物流革新に向けた政策パッケージ』の着実な実施について、本日ご出席の各界委員の方々と連携していきたい」等の閉会あいさつがあり、本協議会は終了しました。
物流業界における「価格転嫁」並びに「働き方改革」は喫緊に解決が求められる重要な課題であり、本会では、引続き国、行政に対する要望活動を行ってまいります。