大阪府中小企業団体中央会は、9月5日(木)シティプラザ大阪で「令和6年度第1回共済事業セミナー&異業種交流会」を開催し、246名の皆様にご参加いただきました。
今回のセミナーでは、読売テレビ放送報道局特別解説委員、テレビジャーナリストの高岡 達之氏を講師に迎え、「世界は今~人で動く政治・経済・社会」をテーマにご講演いただきました。高岡氏は、読売テレビ放送に入社後、報道局取材総括デスク、チーフプロデューサーなどを務め、現在では、報道局特別解説委員として数々のニュース番組に出演されています。
講演では、日本経済やアメリカ国内の経済と政治について、メディアの視点とユーモアを交えながら語っていただきました。
「米国では『やっぱり人間なんだな』とアナログ化を見直す大企業が増えている。実際、米国では電気自動車を見かけることはほとんどない。世界は思ったほど電気自動車が主流というわけではない。アメリカではハイブリッド・ディーゼル車が多数であり、10年は安泰ではないか」と全米各州の特徴を踏まえながら説明されました。
インバウンド需要が高まっている関西について、「外国人観光客には、堺泉北臨海工業地帯の夜景が人気である。また、奈良が野生動物と人と共生している古典建築の街と紹介されている。これらは日本人にはあまり知られていないかと思う。梅田の再開発にも日本人はあまり関心がないかもしれない。アメリカのニューヨークは世界の大都市であるが、セントラルパークのような寝転がれる公園が大都市にあるのは大きな投資ポイントにつながる」と力説され、来年開催の大阪・関西万博についても、「万博では皆さんの商売の目で案内していただきたい。ビジネスパートナーが関西を選ぶのには理由があり、彼らの興味関心を探ってほしい」と述べられました。
メディアとSNSについても触れられ、「AIの時代になり、SNSにはデマなど誤った投稿が混ざっている。国内ではデジタル化を推し進めているが、最近ではむしろ連絡手段としてSNSツールやメールではなく、電話を使う若者が増えるなどアナログ化が見直されている。アメリカにおいても三大ネットワークが改めて支持されるようになり、『ごった煮のテレビがええ』という声もある」と軽妙な語り口で聴衆を沸かせました。
最後に、「アナログ化の例でいえば、芦屋市では、経営者の間でお見合いの仲介が流行している。デジタル化を取り入れるにあたっては、誰のためなのか、その目的では何かということを明確にすることが重要である。大阪の企業は人の気持ちを理解している。従業員の賃上げ促進も重要であるが、皆さんにもさまざまな場所を歩いていただくことで新たな発見をしてほしい」と語られました。
参加者アンケートの結果では、「話が面白く、終始楽しく講演を聞くことができた」「政治のリアルタイムな話やアメリカの現状の話題など大変参考になった」などの感想が寄せられ、大変参考になるセミナーとなりました。
大阪府中央会では、今後もセミナーを開催し、会員の皆様に有益な情報提供の場を設けて参ります。次回のセミナーにも是非ご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。