大阪府中小企業団体中央会は、9月26日(火)シティプラザ大阪で「令和5年度第1回共済事業セミナー&異業種交流会」を開催し、266名の皆様にご参加いただきました。
今回のセミナーでは、経済ジャーナリストの須田 慎一郎氏を講師に迎え、「どうなる日本、どうなる日本経済~コロナショック、そしてウクライナショックがもたらすこと」をテーマにご講演いただきました。須田氏は、夕刊紙や経済紙の記者を経て、政界、官界、財界での豊富な人脈を基に、数々のスクープ報道を連発している経済ジャーナリストして活躍されています。2007年から2012年までは内閣府多重債務者対策本部有識者会議委員を務められ、現在では読売テレビ「そこまで言って委員会NP」等、情報・報道番組にも数多く出演されています。
講演では、アフターコロナを経て日本経済が活性化されている中、多くの方が関心のある景気動向について予測するためのポイントを語っていただきました。
「1991年3月のバブル経済崩壊後、日本国内では好景気となったことは一度もない。新聞やテレビでは日本経済の問題点を報道しないため、多くの方はよく理解していない。現在は、需要が供給を上回っており、品薄やサービス不足となっている」と説明されました。
また、本来消費されていたお金がコロナ禍の影響で消費されず個人や企業に残っていることを「強制貯蓄」といい、家計の強制貯蓄は2020年・2021年で20兆円、2022年には15兆円弱まで落ちると見込まれたものの、累積で50兆円超となっています。「この額が消費されれば、日本経済は年間10%近い経済成長率となる」と解説されました。
消費者マインド予測の立て方についても説明され、「定期的に宿泊予約サイトに掲載されている特定のホテルの空室状況や宿泊料金の変動を調べることで需要と供給の状況を把握することができる。景気回復を実感し消費者マインドを見極めることが可能になる」と軽妙な語り口で解説され、聴衆を沸かせました。
最後に、「景気が上向きになると、その恩恵を受けられると考える人は多いが、バブル以前の好景気とは異なり、現在では恩恵を受けられる企業や人、そうでない企業や人と2極化していく」と説明され、「最近では価格が安いだけではなく、クオリティも同時に求められる。選ばれる商品は値段が安いだけではなく、クオリティが高い。今後は、より一層クオリティの高い企業や生産者が選ばれていくと考えられる。価値に見合った価格を守り、お値段以上のクオリティを維持できれば勝ち組になれると思う」と語られました。
参加者アンケートの結果では、「具体的な事例が豊富で、大変わかりやすく有意義な講演でした」「わかりやすく楽しい説明だった。地上波では放送されないような内容が聞けた」などの感想が寄せられ、景気動向予測に向けて大変参考になるセミナーとなりました。
大阪府中央会では、今後もセミナーを開催し、会員の皆様に有益な情報提供の場を設けて参ります。次回のセミナーにも是非ご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。